Case: UNIMPOSSIBLE MISSIONS

2月11日は、世界最大の複合企業体・GEの創始者であり、発明王としても知られるトーマス・エジソンの誕生日です。アメリカではこの日を『発明家の日』と定めており、毎年化学関連の様々なイベントが開催されているのだそう。

GEでは今年の記念日に「UNIMPOSSIBLE MISSIONS」と題したグローバルキャンペーンをローンチ。『impossible(不可能な)』+『un(逆の状態にすること)』、つまり『不可能を可能にする』という内容の実験映像を公開しました。

英語では『実現が限りなく困難だ』という意味で『地獄の炎の中で雪玉が溶けない』、『雷をガラス瓶の中に捕まえる』、そして『相手が聞く耳を持たない』という意味で『壁に向かって話しているようだ』という慣用句が使われます。このことからヒントを得て実施されたのが、以下の3つのミッションです。

1.『雪玉が地獄の炎で生き残る見込み』編


タイトルの通り『雪玉を高温の窯の中で凍ったまま保つことができるか』という企画です。スタッフはまず、1,300℃の高温に耐えられるというニッケル基超合金を使って外容器を制作。その中にドライアイス、断熱材、そしてプラスチックケースの中に入れた雪玉を収めます。

これをどろどろに溶けた金属の中に投入。しばらくした後に容器を引き上げ、雪玉が溶けていなければ成功です。

結果は…ご覧のとおり!雪玉は地獄の炎から無事生還したのでした。

2.『雷を瓶で捕まえる』編

これはアメリカ建国の父のひとりと称えられている、ベンジャミン・フランクリンも挑戦した実験で、当時は雷を伴う嵐の中で凧をあげるという方法で行われました。それから250年以上が経った現在は、瞬間的に発生する多量の電気を吸収する働きのあるスーパーコンデンサを使用。

このコンデンサを入れた瓶を、200万ボルトの雷を人工的に生成する発電機の下に置き、雷のパワーを捉えようという試みです。

結果を確認するため、瓶を車に取り付けてエンジンをかけてみると…車を発進させることに成功!きっと、ベンジャミン・フランクリンも喜んでいるに違いありませんね。

3.『壁に向かって話しているみたい? 』編

こちらは『離れた場所にいる相手と、壁伝いに話しをすることができるか』という実験。広々とした静かな場所にあるという点が考慮され、ベルリンの壁で実施されました。

実験には加速度計という、微細な振動を感知する機器を使用。これを片方の壁に取り付けます。

壁に向かって話しかけると、加速度計が振動を感知。この信号から背景の雑音を取り除いたうえで音声に変換し、反対側の壁の向こう側にいる子供たちに向けてスピーカーで流そうというのです。理論上は何となく理解できるような気がしますが、果たして結果は…

驚くほどクリアな声が聞こえてきます!男性が壁に向かって読む絵本に子供たちは聞き入り、朗読が終わると拍手が湧き起りました。

GEの各分野の技術者たちが、多岐にわたる事業部門で培った知識や技術力を駆使して取り組んだ本企画。「こんな実験、する意味があるの?」と言われてしまえばそれまでなのですが、無理難題に敢えて挑むことで、会社としての原点に立ち返ろうという意図があるようです。

生前1,000件を超える特許を申請した偉大なる発明家・エジソンも、その功績の陰には数えきれないほどの失敗、挫折がありました。既成概念に囚われることなく、チャレンジし続けることの大切さについて改めて考えさせてくれる取り組みでした。