Case: Reach Across the Aisle

人が集まれば集まるほど、意見を一つにまとめることは難しいですよね。米国の議会でも選挙活動でも日々意見が衝突しており、“全会一致で合意に達する”ことは不可能とさえ思えてしまうほど。

米国LCCのJet Blue航空は、この不可能なチャレンジに挑むべく、“乗客全員が行ってみたい場所が見事一致した場合のみ、その場所までの往復航空券を乗客全員にプレゼントする”という企画、その名も「Reach Across the Aisle」(通路を越えて周りの人と接触しよう)を実施しました。

Jet Blueフライト603便に乗船している150名の乗客たちが、今回の企画の挑戦者です。突如乗務員の男性がマイクを握り、「みなさんの意見が一つにまとまれば、Jet Blueが運航している都市までの往復航空券を全員にプレゼントします。」と告げ、チャレンジがスタートしました。

突然のプレゼント企画に興奮冷めやらぬ乗客たちは、まずはJet Blueの運航先を確認し、それぞれどこに行きたいか思いを馳せます。「LAに行きたい」と話す人もいれば、「どこにでも行けるなら、海外に行きたいよ」と話す人もいて、当然150人の意見は千差万別です。果たして、目的地が一か所にまとまることはあるのでしょうか。

ここで、第一回目の意思表示が実施されます。まずは多数決で行先は“国内”がいいのか“海外”がいいのか、お手元の手ふだを挙げて挙手による投票が行われます。

結果は、より多くの“手”があがった“海外”に軍配に上がります。

続いては、“海外のどこに行くのか”を決めていきます。「コスタリカに行きたいわ」と言う人もいれば「ジャマイカがいいよ」と言う人もいて、当然150人の意見は一度にまとまりません。

中でも目立った“コスタリカ派”と“タークス・カイコス諸島派”に絞られ、最終投票の前に、それぞれを支持する人が皆の前で意見を述べたり、隣近所の人と積極的に意見交換をしたりしながら、自分の意見を主張するばかりでなく、相手の意見にも真摯に耳を傾け、相反する意見を持つ人との着地点を探ります。

そして運命の最終投票。「タークス・カイコス諸島に行きたい人?」との声に、皆周りの反応を見るべくあたりを見回しますが、結果“挙手”した人はなし。

「それではコスタリカに行きたい人?」との質問に見事150人全員が“挙手”し、不可能とも思えた“全会一致”を見事達成することができたのです。

アメリカにとって大切な記念日となったと話すJet Blue航空の仕掛け人により、全員にコスタリカまでの往復航空券が手渡され、機内は歓喜に包まれたというドッキリ施策でした。

何かを成し遂げるためには、時には妥協や譲り合いが必要であることをメッセージした企画の一部始終をぜひ一度ご覧ください。