Case: iPhone HiJack for Virgin Mobile Poland

iPhoneやiPad等、アップル社の新機種発表は世界中で大きなニュースとなります。今回は、いつも話題を独り占めにしてしまうiPhoneの新機種発表を“ハイジャックする”(≒便乗する)という、ポーランドの携帯電話事業者・Virgin Mobile Polandの斬新な施策をご紹介します。

アップル社が新機種を発表してからポーランドで実際に発売解禁になるまでには、通常約1週間のタイムラグがあるといいます。そこで、Virgin Mobileは、アップルの新商品の話題で持ち切りになるこの1週間に着目し、人々のアップル社新製品への熱に“便乗”して、人々の関心を同社に向けるべく、とある作戦を実行します。

それは、まず「iPhone 6s」が発売開始となった米国に赴き、一足先に「iPhone 6」を一台購入しポーランドに持ち帰ります。ポーランドでは、人気アプリ・メッセンジャーでおもしろ動画を送信してもらうという企画を実施し、栄えある勝者にはポーランドで発売前に誰よりも早く「iPhone 6s」をプレゼントするというものです。

Virgin Mobileは、まず同社のFacebookページでキャンペーンを告知します。応募するおもしろ動画は、撮影した動画に有名人の声や有名な曲をかぶせることができるアプリ・Dubsmashを使って編集することを推奨します。募集期間は12時間。

アップル熱が高まるファンの間で、同キャンペーンは瞬く間に拡散し、25秒に1つの動画の割合で次々に送信されます。動画受付期間わずか12時間の間で2,000件を超える応募が集まる計算です。

「iPhone 6s」1台という予算で、実に65,000人にリーチすることに成功したという本ケースは、通常3,000人ほどのエンゲージメントを維持している同社にとってきわめて大きな成果を挙げことになり、また、その他の携帯電話事業者の約2倍のエンゲージメントを達成することになりました。

ランディングページもなし、マイクロサイトもなし、何かしらかのフォームもなければ、諸条件に同意するチェックを入れる必要もなく、“ただメッセンジャーで動画を送信すればいい”というきわめてシンプルなアイディアで、見事アップルフィーバーに便乗したケースでした。