Case: The misunderstood scoreboard

長年にわたり緊張関係が続いているインド、パキスタン両国。この2国が“対戦”する日に合わせて、インドの報道メディア・Zee Newsが公開した、一風変わったスコアボードをご紹介します。

2015年2月15日、インド、パキスタン両国が“対戦”する時がやってきました。“対戦”と言っても、紛争ではなく“クリケットの国際試合”。両国民の熱狂はスタジアム内にとどまらず国をあげてその対戦に熱い視線が注がれています。

そこで、スタジアムで直接観戦できない国民のために制作されたのが、こちらのスコアボード。

インドはデリーとジャンムー、パキスタンはカラチとラホールの各都市に設置されました。

そして、いよいよ、歴史的な対戦が始まり、試合結果を見守るべく特設スコアボードにも人だかりができました。

しかし、どうやら様子がおかしいのです。スコアボードに表示される得点が、あり得ないスピードであり得ない高得点を刻みだしたのです。

これには、スコアボードを見つめるファンも困惑を隠しきれません。

実際の試合がインド勝利で幕を閉じたところで、種明かし。
スコアボードには“When Lives Are Lost, No One Wins”(命が失われしまうと、勝者も敗者もいなくなる)とのメッセージが映し出され、紛争で多くの尊い命が犠牲になってしまっている事へ異議を唱える施策であったことがわかるというものでした。(スコアボードの数字が紛争でそれぞれ犠牲になった人の数を表します)

このスコアボード施策に対する反響は大きく、実際にスコアボードを目にした人だけでなく、各種メディアやインターネットを経て世界各国の人々の関心を集めることに成功しました。インド人として、パキスタン人としてではなく、皆一人の人間として、命の尊さを改めてかみしめる機会となったようです。

両国政府に対して、数えきれない命が犠牲となる紛争の意義を問う啓発アウトドア施策でした。