Case: Tree Book Tree

アルゼンチンでは、毎年1,500タイトルの本が出版されています。これは部数にすると毎月600万冊、ページ数に直すとなんと45億ページにもなるといい、膨大な量の紙を費やしていることがわかります。

子供向けの絵本や書籍を発行する出版社・Pequeño Editorは、これからの社会を担う子供たちに伝えていかなければならない重要なテーマである、環境問題について考えるため、ユニークな絵本「Mi Papá Estuvo en la Selva」を制作しました。

少年がエクアドルのジャングルで体験した様々な冒険を描くストーリーは、実話に基づいたもの。そしてこの本の一番の特徴は、読み終えた後に自然に返すことができるという点です。

『木から作った本を、また木に戻そう。』そんな発想から生まれ、『Tree Book Tree』と名付けられたこのプロジェクト。本作りのための素材にこだわり、製造段階で酸を使っていない中性紙、環境に優しいインク、そして金属やビニールを一切使わない製本方法を採用しています。

さらに表紙に使われた紙は、1枚ずつ手作業ですいたもので、ジャカランダ(アルゼンチン原産で、鮮やかな紫色の花を咲かせる落葉高木)の種が埋め込まれています。つまりこの本を読み終わった後、土の中に埋めればそこからジャカランダの芽が育つという工夫が施されているのです。

少し見ずらいですが、下のキャプチャ画像は、この本から実際に発芽している様子を書店の店頭でディスプレイしたもの。

2015年3月に出版されたこの絵本は、テレビで紹介されたほか、ネットニュースやSNSを通じて多くの人が知るところとなり、動植物の生息地である森林を守ること、そして環境破壊を防ぐことの大切さを訴えかけました。

きっと子供たちは、すくすくと育っていくジャカランダを見る度にこの絵本のことを思い出すことでしょう。私たち人間は、自然と共に生きている、ということを実体験をもって深く考えさせられる、素敵な取り組みですね。

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