Case:Red Light

2015年カンヌライオンズ メディア部門のグランプリを受賞した作品をご紹介します。

トルコのVodafoneが、ドメスティックバイオレンスに苦しむ女性たちを救うためのアプリ・Red Lightをリリースしました。

同国ではおよそ3人にひとりの女性が夫や恋人による身体的、あるいは性的暴力を受けた経験があるといいます。今回のアプリは、彼女たちが身の危険を感じた時にすぐに助けを呼ぶことができるようにと開発されたものです。

自分の身に危険が及びそうな時、このアプリをダウンロードしたスマホを振ると、助けを求めるメッセージと位置情報が事前に登録した3人の友人、知人に即座に送られる仕組みになっているのですが、ここで一番大切なのは、暴力を振るっているパートナーに知られずに助けを呼ぶことです。

したがって、アプリの存在を広める際には細心の注意が払われました。男性が絶対に観ないようなYouTube動画(例えばメイクの方法を紹介した動画)の最後や、女性用衣類のタグの裏側にアプリの入手先を掲載するなどして水面下で少しずつ周知させていったのです。

こうした努力を続けてはきたものの、はやり世の男性に全く知られずに続けていくには限界があると考えたVodafone。リリースから10ヶ月経ったタイミングで一般に向け公開することにしました。

アプリはこれまでにおよそ25万件ものダウンロードがなされたそうで、これはトルコでスマートフォンを使う女性のうちのおよそ24%です。さらに、アプリが起動された回数は10万回以上にもなるといい、この数字はトルコにおける女性の社会的立場の弱さ、そして人権侵害の実態を如実に表しています。

日常的に暴力に晒されている女性を救う取り組みとして開発されたシステムではありますが、今後このアプリを使う必要がなくなるような社会へと変化していくことを願わずにはいられません。

動画はコチラ

Cannes Lions 2015: Vodafone "Between Us" (Y&R Team Red İstanbul) from MediaCat TV on Vimeo.