Case: The Message from the Lungs

『万病の元』と言われるタバコ。喫煙によって引き起こされる病気は、がん、心筋梗塞、くも膜下出血など例を挙げればきりがありませんが、その中でも特に症状として現れやすいのが呼吸器系の疾患です。

タバコを吸い続けると、煙に含まれる有害物質によって肺の細胞が破壊され、呼吸機能が低下していくと同時に、タールが肺にべっとりと付着し、真っ黒な肺になってしまいます。

しかしどれほど体にとって有害だと分かっていても、やはりやめられないのがタバコの依存性。そこで人々の健康を推進するタイの政府組織・Thai Health Promotion Foundationは、『タバコによってどれだけ肺がダメージを受けるか』ということを喫煙者に訴えかけるキャンペーンを展開しました。

同団体はバンコクのチュラーロンコーン大学医学部に協力を依頼し、タバコを50年間吸い続けて亡くなった男性の肺を摘出(もちろん本人の承諾を得ています)。その真っ黒な肺から色素を抽出してインクを作ったのです。

そしてそのインクを小さなボトルに詰め、「The Message from the Lungs(肺からのメッセージ)」と名付けて博物館などの公共の場に置きました。

故人の肺から作ったという衝撃的なインクは、テレビで取り上げられ大きな注目を集めたほか、このインクを使って書かれた禁煙を訴えるメッセージがSNSに多数投稿されると、およそ10万人もの人によってシェアされたといいます。

その後Thai Health Promotion Foundationによって開催された禁煙プログラムの参加者は、前年度に比べ500%も増加し、禁煙しなければ…と思いつつも一歩を踏み出せないでいる人達へとアプローチすることに成功しました。

「今タバコをやめておかないと、取り返しのつかないことになってしまう」そんな気持ちを抱かせることによって成果をあげた、写真や文章で訴えかけるよりも、はるかにショッキングで強烈な印象を与える施策でした。  

動画はコチラ

The Message from the Lungs (Thai Health Promotion Foundation) from Bbdo Proximity Thailand on Vimeo.