Case: 日本酒の蔵元「吉乃川」の『東京新潟物語』

2015年の冬、新しくなったこちらの広告をご存知でしょうか?


“好きな人と故郷の駅に降りたとき、
私、結婚するんだなと思った。”

 

実はこれ、2011年からシリーズ化されていて、ひそかに話題を集めている広告です。
新潟と東京を結ぶ上越新幹線の車内で掲示されているこの広告は、日本酒の蔵元「吉乃川」が女性に目を向けて打ち出したもの。

吉乃川といえば、「吉乃川女子部」といった、女性へ日本酒の魅力を伝える活動なども行っている企業ですが、この広告も、女性にもっと『日本酒』を楽しんでもらいたい。そういう思いをもって創られたものでしょう。

『東京新潟物語』
就職して上京した女性が、故郷を離れて初めて気づいた、『“故郷”のあたたかさ』と、『“家族”への想い』をテーマに描かれています。

東京で輝く女性にとって、故郷というのはかけがえのないもの。
改めて故郷を想い出したとき、この広告にうなずく方も多いのではないでしょうか。

以下は2011年~2014年の作品。いずれも若い女性のビジュアルと、一人称で綴られるコピーがあるだけというシンプルなクリエイティブです。

 

2011年


“就職した。
東京の男の子の前では、
まだ飲んでいない。”

“東京には、好きになった人がいる。
新潟には、好きだった人がいる。”

“親類全員揃ううちの法事を、
東京の人に説明するのは大変です。” 

“東京が晴れた日は、新潟は雪だ。”



2012年


“子供のころから見ていた、
長岡の花火を見に行かなかった、
初めての夏。” 

“初めて父と飲んだ。
ちいさい頃から家で父が飲んでいたお酒だ。”

“あの人のために編み始めて、
いつの間にか、新潟の、父のために編んでいる。”

“東京に出たから、
新潟というかけがえのない故郷ができた。”



2013年


“東京で失恋した。

お酒が強くて、よかった。”

“帰省したら、幼なじみがお母さんになっていた。
私は、”

“告白された。
こんどは、ゆっくり恋をしようと思う。”

“お酒を分けあって暖かくなる。
雪国の夫婦って、いいなあ。”

 

2014年


“仕事忙しいしお見合いだなんて帰れないよ。

と、嘘をついた。”

“初めて、東京の人を連れて行くなら、
夏がいい、と決めていた。”

“結婚しようって言われて、
なによりも先に、浮かんだのは、
故郷の母と父だった。”

 

落ち込んでいる時、また、恋人といる時。そんなふとした瞬間、想い出すのは家族ですか?
そんなあたたかい気持ちになるこの広告をみると、故郷の“味”を想い出したくなるものです。

Written by ‘Miyuki Abe’

(via 東京新潟物語|吉乃川)