Case: Creative promotion with Wi-Fi

日本を含め先進諸国では、Wi-Fi接続がもはや当たり前。今回は、そんなWi-Fiの特長・機能をプロモーションに上手く取り込んだユニークなプロモーション事例をまとめてご紹介します。

Wi-Fiがあって、はじめて実現が可能になったスマートなケースの数々をご覧ください。

1.無料Wi-Fiの“ネットワーク名”を通じて見込み客の来店を促進

[企業名:McDonald’s]

スペインのマクドナルドでは、店内のWi-Fi電波は店の外や近隣のレストランにまで及んでしまうため、“顧客でない人にまで利用できてしまう”という、本意ではない使い方をされることもしばしばありました。同社はその状況を逆手に取り、店の外でマクドナルドのWi-Fiサービスを使おうとする人を店内に誘導するべく、ある方法を考案しました。

スマートフォンやタブレットでWi-Fiの設定をオンにすると、近くで使用可能な無線LANネットワークの一覧が表示されますが、その一覧に表示されるマクドナルドのネットワーク名を、利用する人へのメッセージに変えたのです。

具体的にはこんな感じです。

「2時です。コーヒーブレイクの時間ですね。」「マクドナルド店内では無料Wi-Fiに加え、無料でサンデー(アイス)もプレゼントしていますよ。」

また、バス停でもバスを待っている人をターゲットにこんなメッセージを。

「このバス停では無料Wi-Fiを提供していますが、マクドナルドに来ればもっと快適に使えます。」

現代人の習慣に着目した巧みなアイディア。詳細はコチラの動画で。

2.夏フェスの写真をリアルタイムでFacebookに投稿する「フォトボール」

[企業名:HP]

プリンタ大手・hpによる夏フェスを舞台にしたFacebook×リアルの屋外プロモーション。夏フェスのライブ会場では、客席を盛り上げようと大きな風船が投げこまれることがよくありますが、今回の企画はそんな慣習にヒントを得た施策。

音楽フェスティバルのライブ会場に、同社のロゴが入った特殊な巨大風船を投げ込みます。この風船にはHDカメラが搭載されていて、風船が観客席をバウンドする際に盛り上がっている観客を随時撮影していきます。

さらに風船には、Wi-Fiアンテナも内蔵されており撮影した写真をリアルタイムでFacebookにも投稿していく仕掛けが施されています。

hpは同フェスの会場内に特設ブースを設け、ブースに来た観客に自分たちが写っている写真をPCで探してもらい、同社のプリンタを使ってその場でプリントアウトしてもらいました。詳細はコチラの動画で。

3.Wi-Fiの“電波名”を広告に

[ブランド名:3]

スウェーデンの携帯キャリア「3」による、Wi-FiユーザーをターゲットにしたポケットWi-Fiを売り込むためのプロモーション。

スマホ、タブレット、ノートPCを取り出して待ち時間を潰そうとWi-Fi電波を探そうとする人が多い駅で、ユーザーがWi-Fiの電波を探そうとすると、“Looking for WiFi?”(WiFi探してる?)という名前のWi-Fi電波が見つかる仕掛けを施しました。

ユーザーが実際にこの電波を拾おうとすると…“Wi-Fiのログイン画面”に、駅中にある「3」のショップの広告が表示されて、ポケットWi-Fiについて宣伝するという試みでした。詳細はコチラの動画で。

4.自撮り写真でスロットにチャレンジ!無料ビールを賭けたCarlsbergのゲームイベント

[企業名:Carlsberg]

カールスバーグがデンマークにあるバーで、ビアサーバーを使って実施したゲームイベント。お客さんがゲームに参加するには、まずスマホで自分の写真を撮り、ハッシュタグ「#BarBandits」をつけてインスタグラムに投稿します。

ビアサーバーは店内にあるスクリーンとWi-Fiで連動していて、店員がお客さんの注文を受けてグラスにビールを注ぐと、スクリーン上でスロットマシンがスタート。自分の写真が見事3枚揃うと、ビールを1杯無料でもらえます。

誰かがカールスバーグのビールを頼むたびに無料ビールのチャンスがあるので、店内にいるお客さんは大いに盛り上がります。ビールの売り上げとバーの集客力アップにもつながる、楽しいイベントです。詳細はコチラの動画で。

5.無料Wi-Fiを“トラップ”にした拷問撲滅に係る署名キャンペーン

[団体名:Amnesty International]

世界最大の国際人権NGOであるアムネスティ・インターナショナルによる、“無料Wi-Fi”を使ったアンビエント施策。世界では無実の罪で投獄・拷問され、“拷問から解放されるはずの証書にサインしたつもり”が、実はそれはやってもいない罪が記載された供述書であり、その結果、無実の罪のために終身刑に処せられるか、最悪の場合は死刑になるという非道なケースがあるといいます。

同団体は、若者にこのような“拷問及び供述書への強制署名”の実態を知ってもらい、多くの署名による支援を募るために、若者が集う音楽祭会場で使用できる無料Wi-Fi、その名も“WeFree”を作り、そのルーターを会場に持ち込みました。

若者が“WeFree”を使用するには、利用規約に同意しなければなりませんが、約90%のインターネットユーザーが実際に利用規約に目を通すことなく簡単に同意しているというデータがある通り、会場の若者たちの多くも利用規約を読むことなく“同意する”をチェックし、Wi-Fiに接続しようとしました。

すると、下記のような画面が表示されました。

「今、あなたは、携帯電話を3台盗んだという罪に同意しました。」

と身に覚えのないことが書かれています。

そう、これこそまさに世界各国で多くの人が苦しめられている“拷問の末の強制署名の実態”なのです。そして衝撃的な同意画面の下には、“署名”ボタンがあり、同団体の活動に署名することができるようになっていました。

キャンペーンの効果は絶大で、音楽祭に集まった多くの若者が「無料W-Fiの罠」にかかり、8600件を超える署名を集めることに成功しました。詳細はコチラの動画で。

6.木からダウンロードする電子書籍

[企業名:EPM]

南米コロンビアで大手通信会社のEMPが仕掛けたアンビエント施策。“通信の力で国民の生活をより良いものにすること”を意図して、南米で最も低いコロンビア人の読書率を向上させるために仕掛けたアイディアが「言葉の木」という企画でした。

コンセプトは、「木の下でしかダウンロードすることができない電子書籍」。狭域Wi-Fi(=鳥の巣箱の形状)を、公園にある木1本1本に設置することで、公園を訪れた市民がその場で電子書籍を無料でダウンロードできるようにし、木の下で本を読ませるきっかけを作りました。

ユニークなのは、それぞれの木にひとつひとつ違う本が割り当てられているため、どの本も特定の木の下でしか手に入らないという点。この取り組みの結果、これまで年に平均2冊しか読んでいなかったコロンビア人の読書率を上げることに成功しました。詳細はコチラの動画で。

7.Wi-Fiルータ内蔵の『空飛ぶお店』

[企業名:Emart]

韓国大手スーパーマーケット・Emartによるアンビエント施策。韓国の人々は、“近場の店舗を好んで利用する人”の割合が他の国々に比べて高いという現状がありました。同社はそんな韓国人の購買行動により従来取りこぼしていた、“距離の離れたエリアにいる見込み客”を新たに獲得するためのプロモーションを企画。

同社は“お客さんが来てくれないのであれば、こちらからお客さんのもとに行けばいい”というコンセプトのもと、『空飛ぶお店』を開発。Emartの移動ショップともいえる巨大バルーンを制作します。こちらはただの風船ではなく、中には市民が無料でWi-Fiに接続できるよう“Wi-Fiルーター”が内蔵されています。

この『空飛ぶお店』はショッピングモールや、オフィスビルの中、電車の中で飛ばし、人々の好奇心をあおります。大きく『Get Wi-Fi, Get Items. Free』と記載されており、興味を持った市民がWi-Fiに接続すると、Emartのクーポンをダウンロードすることができ、そのままオンラインショップに誘導して買い物を楽しんでもらうという仕掛けでした。

オンラインショップの売上は前月比157%も増加し、モバイルアプリのダウンロード数も1ヶ月間で5万人増やすことに成功。実店舗にも『空飛ぶお店』で配布したクーポンの利用客が来店し、前年同月比9.5%増の売上を達成したといいます。詳細はコチラの動画で。

8.タイムズスクエアのビジョンを使った人々を笑顔にするインタラクティブ広告

[企業名:Hyundai]

ヒュンダイがニューヨークのタイムズスクエアの大型ビジョンを使って展開した、訪れた人々に笑顔をもたらすインタラクティブ広告。

スマホに家族や友人へのメッセージを入力して、Wi-Fiに接続した状態でスマホをスクリーンに向かって投げるそぶりをすると、スクリーンの中のMr. Brilliantがキャッチ。ド派手な演出とともにメッセージをスクリーンで紹介してくれるなど、インタラクティブでユニークな仕掛けが用意されていました。詳細はコチラの動画で。

9.ゲームで高得点を取るほど無料Wi-Fi接続時間が長くなる

[ブランド名:Scrabble]

欧米で人気の「スクラブル」というボードゲームをご存知ですか?簡単に言うと、ボード上で英単語を作り上げる“字並べゲーム”で、スペリング能力を競い合う少し知的なゲームです。

今回この「スクラブル」がWi-Fiを使ってユニークなプロモーションを仕掛けました。フランス市内の人通りの多い場所で、人々が無料Wi-Fiにアクセスしようとすると、「Play Scrabble Wi-Fi」という回線が表示されます。

選択すると、ログイン前に「スクラブル」のゲームが始まります。そして、このゲームの得点により“無料Wi-Fiを接続できる時間”が決まるという仕掛けでした。当然高得点な人ほど長く接続できます。皆さん楽しんでこの“Wi-Fi接続ゲーム”を楽しんだだけでなく、数多くのオンラインメディアやソーシャルメディアで取り上げられPR効果も大きかったといいます。

“Wi-Fiの接続時”にゲームを楽しんでもらうという発想が斬新です。詳細はコチラの動画で。

10.機内Wi-Fiを使った北欧LGのクレバーなモバイル施策

[企業名:LG]

大手家電メーカーのLGが、スマートフォンLG G3を訴求するために北欧で実施したモバイル施策。LG G3がiPhone、サムスン Galaxy、HTC Oneなどのライバル端末に比べて、「バッテリーが長持ちすること」を、それらライバル端末を使用しているユーザーに印象深く伝えることが狙いの企画です。

目を付けたのは、航行中は基本的にバッテリーの充電ができず、空港の待ち時間などでも利用してバッテリーが不足しがちな『飛行機の中』。同社はノルウェーの航空会社の協力を得て、乗客が機内のWi-Fiにログインすると、その利用者の端末を識別して、はじめに下記のようなバナー広告がディスプレイに表示されるようにしました。

Low on Battery?
(バッテリーが足りませんか?)

Level up with LG G3 and surf until touch-down
(LG G3にレベルアップして、着陸までネットサーフィンしましょう)

このキャンペーン期間中、LG G3は北欧の国々で最も人気のスマホとなり、販売台数1位となったそうです。

番外編.「Wi-Fiが繋がらないスポット」をあえてPRするキットカットの広告

[ブランド名:Kit Kat]

街中の様々な場所でWi-Fiiが自由に使えるようになってきている昨今、外出先でもメールをしたり、“いいね”したり、ネットサーフィンするのが当たり前になっています。

そんな外出先でも頻繁にネットに接続している現代人に向けて、「Have a break!」がキャッチコピーのお菓子キットカットが、オランダで仕掛けたアンビエント広告が斬新です。

街中にキットカットの赤と白のブランドカラーで“Free No-Wi-Fi Zone”と上部に掲示した円形のベンチを制作。このベンチでオンラインのことは忘れて友達と会話をしたり、紙の本を読んだり、キットカットを食べて、一息つきませんか!とコミュニケートしています。

「この店Wi-Fi使えます」というステッカーはよく目にしますが、「Wi-Fiが繋がらないスポット」を大々的に発信して、『一息つきたい時に食べたくなるキットカット』というブランドイメージと結びつける発想がユニークです。

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