Case: Optical Illusion Ads

人間の“目の錯覚”を巧みに広告クリエイティブに応用した事例を厳選してご紹介します。

直感的に伝わるものから、じっと見つめることでメッセージが浮かび上がるものまで様々なパターンをご用意しました。あなたの想像力を刺激するクリエイティブの数々をご覧ください。

1.フィリップスのちょっとアダルトな広告 “アンダーヘアをお手入れすると…”

[国名:南アフリカ/企業名:フィリップス]

大手家電ブランドのPHILIPSが、南アメリカのヨハネスブルグで制作したボディーグルーマーのプリント広告。男性も“デリケートな部分のお手入れをしましょう”ということを訴求するために目の錯覚を利用したビジュアルを制作しました。

広告では描けない部分なので、“そこ”をスマートに「○」の図形だけで表現しています。中央の丸のサイズは実は同じなのに、周りの丸が小さくなると右の方が大きく見えるという目の錯覚。毛のお手入れをすると「こんなベネフィットがあるよ!」ということを訴求しています。

コピーは“The benefits of trimming down-there-hair.(アンダーヘアをお手入れするとこんなメリットがありますよ)”。男性の体毛のお手入れも流行になってしまうかもしれない、ちょっと大人のプリント広告でした。

2.汚れを一瞬で消す魔法のような漂白剤

[国名:タイ/企業名:Hygiene]

タイのバンコクで「Hygiene Color Bleach」という漂白剤を訴求するために制作されたアウトドア広告。汚れが綺麗に落ちることを訴求するために、“見る場所によって汚れが表れたり消えたりする”という目の錯覚を利用したクリエイティブを制作しました。

PCやスマホのスクリーンでもこの現象が楽しめるので、画面から遠ざかったり近づいたりしてみてください。遠くから見ると胸元に染みがあるのですが、近くで見ると汚れがなくなったかのように見えてきます。アウトドア広告を、単なる広告からトリックアートというエンターテイメントに変えたこの事例。近寄って見たり、離れて見たりをする人が続出しそうなアイデア広告ですね。

3.二度見必至!トリックアートを用いたUKホンダのテレビCM


[国名:UK/企業名:HONDA]

イギリスのホンダが新型「CR-V」の英国市場導入に合わせて制作したテレビCM。CMタグラインは、“An impossible, made possible”(不可能を可能にする)。

“Illusions”と名付けられたこのテレビCMでは、トリックアートを用いて“不可能”に見える世界を次々と“可能”にしていくことで、1.6リッターiDTEC搭載のCR-Vが、これまで“不可能”だとされていた高燃費を“可能”にしたことを示唆しています。

崖の上に停車しているかのように見えるCR-V。少しでも動くと落ちてしまいそうですが、崖はトリックアートで描かれたもの。一見“不可能”な崖の上の走行も、難なくクリアし“可能”にします。続いて、ポールに激突してしまいそうな状況でも、衝突回避は“不可能”に見えるシチュエーションも“可能”にします。この映像はYouTubeで550万回以上再生されています。是非動画本編をご覧ください。

4.思わず目に留まる!? 立体的に見える3D新聞広告

[国名:コロンビア/企業名:Corona Kitchen]

コロンビアのキッチンメーカー「Corona Kitchen」による斬新な新聞広告。よく見ると、ガスコンロ、オーブンなどを備えたミニチュアのキッチンがページ中央部に見えてきませんか?

新聞のクラシファイド広告ページのレイアウトを応用して、テキストと枠線、空白だけを用いてキッチンが浮かび上がるビジュアルを制作したのです。思わず新聞をめくる手を止めて2度見した上で、新鮮な驚きを与えてくれるようなクリエイティブです。新聞広告の可能性を感じさせてくれますね。

5.この車なら同じ距離でも短く感じますよ

[国名:ハンガリー/企業名:Volkswagen]

フォルクスワーゲンがハンガリーで制作したワンボックスカーのプリント広告。同じ長さの線や同じサイズの円も、周囲の要素によって小さく見えたり大きく見えたりする錯視を利用した表現です。

コピーは、“The same distance feels shorter.”(同じ長さでも短く感じますよ)。「スピードが出る」というメッセージ(車の機能)を、一風変わった角度から訴求しています。

なおこちらはシリーズ広告で、「同じ燃料でも多く感じますよ」と「同じ積載量でも少なく感じますよ」という下記のパターンもありました。

6.絶叫アトラクションのアンビエント広告 “恐怖のエレベーター”

[国名:UK/企業名:Alton Towers Resort]

イギリスの人気テーマパーク「Alton Towers Resort」が、新しくオープンするフリーフォール型絶叫アトラクションの宣伝のために仕掛けたゲリラマーケティング。

テーマパーク近隣のショッピングセンターにあるエレベーターを改造したドッキリ企画で、市民の“目の錯覚”を利用して、エレベーターの底が抜けているように見える内装を施しました。物凄くリアルなデザインを施していたため、エレベーターに乗ろうとした市民の皆さんは、誰もが驚いて急ブレーキをかけてストップしたそうです。

7.“じっくり見て初めて意味が伝わる”ヘアケアブランドのプリント広告

[国名:スイス/ブランド名:Garnier fructis]

ロレアルが展開するヘアケアブランド「Garnier fructis」のプリント広告。物凄く長く口ひげを伸ばした男性が突っ立ているだけかと思いきや、まず違和感を感じるのが下半身。何故か前後逆でお尻がうつっています。

この違和感を解消しようと、さらによく見る(上の画像をクリックして拡大するとわかりやすいです)と、男性の前に女性が後ろ向きで立っていて、彼女の長く伸ばした綺麗な髪の毛が男性の口ひげのように見えていたことが分かるという仕掛けです。右下に書かれたコピーは“For any hair type.”(どんな髪質の方にも)。なるほどと納得させてくれる表現でした。

8.ドライバーをターゲットにした洗剤ブランドの看板広告

[国名:フランス/ブランド名:Ariel]

P&Gの家庭用洗剤ブランド「Ariel」の一風変わったビルボード広告。白いワイシャツが描かれたビルボード広告の前方に、遠くから見ると『黒いシミ』のようにみえる小さな看板を掲示しました。

これにより自動車が道路を走行していくと、目の錯覚で『黒いシミ』が付着していたワイシャツから、シミが徐々に離れていき、最終的にはワイシャツがきれいになる(見える)という仕掛けが施されていました。

9.腹落ち感が半端ない!歯間ブラシのクレバーな広告

[国名:ブラジル/企業名:Colgate]

大手デンタルフロスブランド・コルゲートが制作したプリント広告。まずは上の2点のクリエイティブをそれぞれ1,2秒ずつご覧ください。

どれも男性と女性が仲睦まじくほほ笑んでいる一場面ですが、恐らく多くの方が“男性の歯に何かが詰まっていること”に気付かれたかと思います。一方で、1枚目の写真の女性に“指が6本あること”や、2枚目の写真の男性の“片耳がないこと”に気づいた方、目がいった方は少数派ではないでしょうか。

このクリエイティブを通じて、『こんな風に“歯に挟まった食べ残し”は、身体的な欠陥以上に見る人の注目を集めて目がいってしまいやすいので、ちゃんとコルゲートでケアしましょうね!』と訴求しています。

「身体的な欠陥以上に歯の食べ残しのほうが目立つでしょ」というメッセージと、それを無理なく自然に受け入れさせるわかりやすいクリエイティブ。秀逸ですね。

10.10秒間見つめてください。効果が実感できますから。

[国名:メキシコ/企業名:Persil]

洗濯用洗剤ブランドのPersilがメキシコで制作したプリント広告。ビジュアルだけだと何が何だかわからないかもしれませんが、中心にあるコピーを読むとその趣旨がわかります。

“Stare at the Persil bottle for 10 seconds and discover its power.”
(10秒間パーシルの容器を見つめてください。そうすればその力がわかるでしょう)

実際に緑色の容器を10秒間見つめてみると、うっすらと描かれた“WINE”という文字が“目の錯覚で見えなくなってしまう”という仕掛けが施されています。「Persilで汚れた衣服を洗えば、(この目の錯覚のように)何の痕跡もないほどきれいになりますよ」というメッセージを発信しています。

11.目の錯覚がテーマのバイラルビデオ


[国名:ブラジル/企業名:SAMSUNG]

サムスンの新しく発売された高性能プリンタのバイラルビデオ。テーマは、『目の錯覚』。

1枚の白い紙に描かれた2つのキャラクターのいずれかが実は立体だったことがわかるという映像。目の錯覚が起きるほど精密な印刷ができることを示唆する狙いです。あなたは紙に描かれたモノのうち、どちらが“印刷されたもの”かわかりますか?

12.“運転中、思わぬ障害物に遭遇した状況”をひと目で表現する看板広告


[国名:ドイツ/企業名:Audi]

ドイツの自動車メーカー・アウディは、運転中に“障害物を見落とした場合の危険性”と、それに対応するアウディの安全技術「pre-sense plus」をユニークな手法でPRしました。

プロモーションが展開されたのはドイツの国際空港。搭乗口への通路の上部に大きな内照式の看板を設置し、乗客の視線を引き付けます。この看板には仕掛けが施されており、一定以上離れた距離からは「You’re driving. It is dark. Suddenly;(あなたは暗い道を運転しています。すると突然;)」というメッセージが読み取れますが、徐々に近づいていくと…「A Deer!(鹿だ!)」という文字が浮き上がって見えるのです。

これは私たちの目に備わっている“ピントを調節する機能”を利用したもので、看板に近づくまで「A Deer!」の文字が見えない、すなわち『運転時に障害物に気づかず、かなり接近してしまった状況』を表しています。「このような万が一の場合でも『pre-sense plus』を搭載したアウディの車は瞬時に衝突のリスクを軽減してくれますよ」ということを、空港を行き交う大勢の人々にコミュニケートしています。

13.30秒間見つめてください。縦列駐車のたやすさがわかりますよ。


[国名:イスラエル/企業名:Ford]

大手自動車メーカーのフォードが、イスラエルで「エクスプローラーSUV」に搭載されているパーキングアシスト機能を訴求するために制作したプリント広告。ビジュアルの中央右側には以下のように記されています。

「白色のクルマの中にある黒い点を30秒間見つめてください。その後、前方にある空いている駐車スペースに目を向けてみてください。そうすれば、縦列駐車がいかにたやすいかがわかりますよ。」

どのように見えるかは是非ご自身の目で確かめてみてください。

プリント広告を30秒間見続けさせることは少々ハードルが高い気もしますが、“目の錯覚”を利用してパーキングアシスト機能の効果を変化球で訴求したプリント広告でした。

14.Jeepの騙し絵広告 さて、何に見えるでしょうか?

[国名:フランス/企業名:Jeep]

フランスで制作された自動車ブランド・Jeepのプリント広告。Jeepに乗れば「様々な場所に行く事ができ、色々なものをあなたが好きなように見ることができる」という事を伝えるために制作されたビジュアルです。

麻袋のようなバックグラウンドにキリンが描かれています。コピーは“See whatever you want to see.(見たいものを見よ。)”。

キリンの下には鏡のように、同じくもうひとつJeepのロゴとコピーが並んでいます。そう、このポスターを逆にすると、なんと“ペンギン”に見えるという仕掛け。

だから、“See whatever you want to see.”というコピーになっていたのです。騙し絵を巧みに使ったお洒落なプリント広告でした。

15.横を向かなくても横の状況がわかります

[国名:ドイツ/企業名:Mercedes-Benz]

メルセデス・ベンツがドイツで実施したアウトドア広告。同車に搭載された「ブラインドスポットアシストシステム」(クルマやバイクが車両の死角内にいるときにドアミラーの警告灯を点灯させるとともに、車線変更などで衝突の危険が発生した場合は、自動的なブレーキ作動による回避操作を行う)を訴求することが狙いです。

男性が正面を向きながらも、同時に横を向いているように見えるというビジュアル。コピーは、“Look to the side without looking to the side.”(横に目を向けることなく、横の状況を見ます)。

“正面を見て運転しながら、同時に死角の状況がわかる”という機能を、美しく直感的なクリエイティブを通じてコミュニケートしています。

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