Case: Interactive Bus Stop Advertisements

世界中、どこの町にもあるバス停。通勤・通学などで大勢の人々が日々立ち寄り、目的地へのバスがやってくるのを待つ場所。

今回はそんなただ待つだけの場所を、楽しく、驚きに満ちた、そして時にスリリングな場所に変えてしまう斬新なアイディア満載の“体験型”バス停広告を厳選してお届けします。

1.イングランド・プレミアリーグ開幕を伝える、“五感に訴える”バス停広告

[国名:オーストラリア/企業名:Foxtel]

オーストラリアのスポーツ専門チャンネル「Foxtel」が、サッカーイングランド・プレミアリーグの開幕に合わせて展開したプロモーション。

屋根付きのバス停の側面と背面にはポスターが貼ってあり、その傍らにはボタンが設置されています。ボタンを押すと“観客の声援”が聞こえ、さらに“スタジアムに充満する芝の匂い”が漂ってくるという仕掛けが施されています。

実際に試合の行われるイギリスから遠く離れたオーストラリアのファンに、プレミアリーグや自分の応援するチームをより身近に感じてもらおう、という狙いのもと企画されました。プリント広告の限界を超えたプロモーションは地元の新聞でも紹介され、注目を集めたといいます。

2.市民を“リアルタイムでリタッチする”Adobeのドッキリプロモーション


[国名:スウェーデン/企業名:Adobe]

写真編集や画像加工用ソフトウェアとして広く知られる「Photoshop」を販売する「Adobe」が、街行く人を“リアルタイムでリタッチする”サプライズな企画を実施しました。

ターゲットは、バスを待つ人々。近くに停めた車内から隠し撮りした写真素材に、フォトショップ・アーティストが画像処理を施すと…バス停の横に設置されたモニターに、“リタッチ”された人々がリアルタイムで映し出されるという仕掛けです。

変な顔にされたり、小さな瓶の中に入れられたり…などなど。仕掛けられた人々は驚きながらも大爆笑して、モニターを記念撮影までしていたそうです。このイベントは、Adobeがヨーロッパを中心に開催するイベント“Adobe Creative Days” の告知プロモーションとして実施されたものです。

3.あえて“見えなくする”ことで真価を発揮する、環境保護団体の啓発看板

[国名:カナダ/企業名:Live Green Toronto]

カナダ・トロント市が運営する環境保護団体団体「Live Green Toronto」による、捻りの効いたキャンペーン。

バス停の脇には電飾看板が設置されており、夜の街中で明るい光を放っています。ところがその看板に書かれているのは「この看板の電気を消してください」というメッセージ。左上には大きなスイッチが設置されています。

「環境に配慮した生活」を推進する同団体が、看板内部の照明を消す(=看板自体を見えなくする)ことによって、人々に省エネ・節電への配慮を促した企画でした。

4.“身の毛もよだつ”インタラクティブバス停広告

[国名:フランス/企業名:13th street]

ホラー専門のTV局「13th street」による、ユニークな体験型広告。

闇夜の森の中が描かれたバス停の看板に、懐中電灯の“持ち手”部分がでっぱって取り付けられています。この懐中電灯を握り、付属のスイッチを押すことで明りが灯り、真っ暗な林の中に『髪の長い女性の幽霊』の姿が浮かび上がります。

更にその数秒後、バス看板に設置された特殊な装置により、懐中電灯を握っている人の髪の毛が電気で逆立つような仕掛けが施されています。

まさしく“身の毛もよだつ”体験。『13th streetを見てもらえれば、このバス停広告と同じように“身の毛もよだつ”体験をお約束します!』とコミュニケートしているようです。

5.“人間乾電池”をセットすると、暖かくなるバス停がカナダに出現


[国名:カナダ/企業名:Duracell]

米大手乾電池メーカーのDuracellが、大寒波が襲い厳しい冬を余儀なくされているカナダのモントリオールに設置したユニークなバス停。

Duracellの乾電池型の屋根が施されたバス停で、外側には“A moment of warmth powered by you”(あなたがチャージする温もりのひと時)と書かれています。

中に入ると両側の壁にそれぞれプラスとマイナスを模ったプレートに手のマークが描かれています。左右の壁にそれぞれ手を触れ、まるで“人間乾電池”をセットするかのごとく、手をつないだ人と人で壁から壁まで結んだ時、バス停内の暖房にスイッチが入るという仕組みでした。

PRの模様を収めた動画では、『カナダには寒い冬が訪れますが、体も心も温められる“人のぬくもり”があります』とのメッセージで締めくくられています。とってもユニークな乾電池会社のブランディング施策でした。

6.国連WFP、スマホで“食料支援体験”ができるバス停


[国名:ドイツ/企業名:WFP]

国連WFPによる食糧欠乏国への食糧援助を促す啓発キャンペーン。

バス停の両側面にはポスターが掲示されており、一方には、数多くの食料が色鮮やかにプリントされています。そして反対側には、食糧欠乏国に住む空腹の子供のポスターが。バスの利用者が“食料が描かれた方のポスター”にスマホをかざすと、ポスターの中の食料品がスマホにダウンロードされて、あたかも実際に食料を手に取ったかのように表示されます。

その状態で“空腹の子供が描かれたポスター”にスマホをかざすと、ポスターの中の子供へ食料を届けたかのように食料がスマホから消え、ポスターに写っている子供たちからの感謝のメッセージや食料を食べている様子が動画で再生されるという仕掛けです。

バス停という日常空間で、スマホを使って“飢餓に苦しむ子供に食糧を届ける体験をしてもらおう”という試みでした。

7.“削って”真価を発揮する考古学展示会のポスター

[国名:USA/企業名:The Museum of Contemporary Art in Chicago]

アメリカのシカゴ現代美術館による、考古学をテーマにした期間限定展示会(「The Way of the Shovel: Art as Archaeology」)の告知ポスター。

掲示されたのはシカゴ市内4ヶ所のバス停。一見した限りではいたって普通のポスターですが、実は表面を削れるように加工されています。コインなどで表面をこすっていくと、その下から隠されたアートが徐々に現れるようになっています。

バスを待っている間、ちょっとした宝探し気分を楽しむことができるという、考古学をテーマにした展示会にぴったりのユニークな仕掛けでした。

8.前代未聞の“スイーツなバス停”がイギリスにお目見え!

[国名:UK/企業名:Mr Skipling]

イギリスのスウィーツブランド「Mr Kipling」による、新作持ち帰り用ケーキの斬新なバス停広告。

常時焼菓子の香ばしい香りが漂うように設計されたこのバス停では、指定のボタンを押すだけで、自動でケーキが出てくるという甘党には堪らない企画。甘い香りに誘われて大勢の市民が集まってくるという仕掛けが施されています。

この「ケーキが出てくるバス停」は、イギリス国内18地区に設置され、バス停1台につき、1日500コのケーキが出てきたそうです。

9.家庭内暴力は、他人には見えないところで起こっています。

[国名:ドイツ/企業名:Amnesty International]

アムネスティ・インターナショナルによる家庭内暴力反対を啓発する広告。

取り付けられているカメラで人が見ているかどうかを判断し、“誰も見ていない”と夫が妻を殴る様をディスプレイに表示します。「悲劇は隠れたところで起こっている」という悲惨な現実を訴えかけるクリエイティブです。

10.QRコードがニキビに! バスの運転手も思わず唸るインタラクティブなバス停広告

[国名:韓国/企業名:Regen Clinic]

韓国の美容クリニック「Regen Clinic」のバス停を使ったインタラクティブ広告。

若い女性の顔に、あたかもニキビや吹き出物ができたかのように赤い斑点が数か所に刻まれていますが、この赤い斑点は近くで見るとQRコードになっており、スマートフォンで読みとることができます。

読み取ると、クリニックのモバイルサイトに自動でアクセスし、スキンケアに関する様々な情報を得ることができるようになっているという仕掛け。

普通は広告クリエイティブの右下などにひっそりと記載されているだけのQRコードを、広告クリエイティブ自体を完成させる重要なポイントに昇華させるという発想が斬新です。

11.「くしゃみって、こんなに飛ぶ!」ことを身をもって体感するバス停


[国名:カナダ/企業名:Science World]

カナダ・バンクーバーに位置する科学博物館「Science World」によるバス停広告。

ポスター中央部にあるScience Worldのロゴ部分を押すと、ちょうど顔の高さにある吹き出し口から水が噴射されます。と同時に「はっくしゅん!」「くしゃみをすると、ウィルスを含んだ唾液が3.7メートルも飛散し、さらに空中を3時間も浮遊するって知ってましたか?」とアナウンスが流れます。

最後は「気持ち悪い?でも勉強になったでしょ?」と締めくくっています。『くしゃみエチケット』を人々に再認識させる、ユーモラスな啓発キャンペーンでした。

12.1ユーロで温まる暖房付バス停で、ホームレス支援を啓発


[国名:オーストリア/企業名:Caritas]

世界中で社会福祉活動の推進と募金・援助活動を行っている慈善団体のCaritasが、オーストリアでホームレスに対するユニークなチャリティー活動を実施しました。

2013年秋、首都ウィーンのシティパークを占拠していたホームレスの一斉強制退去が実施され、結果数百人ものホームレスが寒い冬をより劣悪な環境で過ごすことを余儀なくされたと言います。

この現状を広く市民に周知し、ホームレスへの支援を呼びかけるために、Caritasは多くの人々が利用するバスの停留所に『たった1ユーロで起動する暖房』を設置しました。

目的は、市民に1ユーロの重みを実感してもらうこと。たった1ユーロで凍えた体を温めることができるのと同様に、1ユーロでホームレスの心を温めることもできるということを訴えています。

13.ホラー映画「チャイルド・プレイ」最新作の過激な“いたずら広告”


[国名:ブラジル/企業名:Universal Studios Home Entertainment]

1988年にアメリカで公開された「チャイルド・プレイ」というホラー映画のシリーズ最新作「Curse of Chucky」のプロモーションに企画された、“prankvertising(=いたずら広告)”です。

バス停のベンチ脇には大きな「Curse of Chucky」のポスターが設置されています。男性がバスを待っていると、どこからともなく子供の笑い声が。男性が不思議に思った次の瞬間、人影がポスターの向こう側に浮かび上がり…

ポスターとその上に張ってあるガラスをぶち破り、チャッキーがナイフを手に飛び出してきたのです。恐怖の表情を浮かべ一目散に逃げ出す男性を、チャッキーはなおもナイフ(もちろんニセモノです)を振りかざし、奇声をあげながら追い回します。

バス停の屋根には小型カメラが取り付けられており、その一部始終をばっちり録画。遭遇した人々を恐怖のどん底に突き落とした、過激ないたずら広告でした。

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