Case: ExFEARiential

まずは、カナダで制作されたテレビCMを1本ご紹介します。

気持ちよく晴れた日。母親が赤ちゃんを乗せたベビーカーを押しながら公園を散歩していると、ひとりの男性が近づいてきて、道を尋ねました。

母親が案内をしようと一瞬ベビーカーに背を向けた時、近くのベンチに座っていた別の男が赤ちゃんをさらって逃げたのです。二人の男たちははじめから赤ちゃんを狙っていたのでした。

パニックに陥った女性は、必死の形相で通りかかった警察官に助けを求めます。すると、「大丈夫ですよ」と声を掛けながら警察官が開けた箱の中には…

「ストレスを感じるときでも爽やかに!」というメッセージと、制汗剤が。

そう、これは制汗剤のドッキリプロモーションだったのです!
赤ちゃんをさらった男たちも、公園のベンチに座って一部始終を見ていた人たちも、もちろん警察官も、ドッキリを仕掛けられた女性以外は全員役者さん。

種明かしをされた女性は、恐怖と安堵のあまり大泣き。あまりにも気の毒な演出ですが、見ている方にとっては非常に印象に残る広告です。

このコマーシャルを制作したのは「john st.」という広告会社。同社によると、人間の記憶に一番印象に残りやすいのは“恐怖体験”なのだとか。その特性を利用して制作したのがこのドッキリプロモーションを収めたCMだった、という訳です。

そう言われてみるとこのCM、商品に関する説明は皆無ですが、確かにインパクトという意味では抜群ですね。john st.ではこの手法を「experience(体験)」と「fear(恐怖)」という二つの言葉を組み合わせ、『ExFEARiential』と表現しています。

映像や紙媒体、インターネット上でも趣向を凝らした広告が溢れる中、“やりすぎ!”の批判を覚悟で制作する『ExFEARiential』なCM。ドッキリを仕掛けられた女性らも実は役者で、john st.はこの超過激な宣伝手法自体をアテンションを追い求める“業界への問題提起”としているのかもしれません。

以下の1本目の動画は「john st.」の紹介、2本目は上でご紹介した制汗剤のCM。3本目は「大変な1日の後には冷たいビールを!」という内容のCMです。こちらもかなり強烈ですので、ぜひご覧ください。

動画はコチラ



参考サイト

ADWEEK
http://www.adweek.com/adfreak/stolen-babies-and-home-abductions-agencys-prankvertising-absolute-hell-earth-153666