Case:World unique Recruitment by ad agency

世界各地の広告代理店が手掛けた想像力溢れる採用活動をまとめて紹介します。
『流石はクリエイティブを“売り物”にするエージェンシー!』と思わず言いたくなるような斬新な事例を集めました。

1.独広告代理店の超アイディア採用活動 “QRコードを描いたピザ”を他社の社員に宅配


[国名:ドイツ/企業名:Scholz & Friends Hamburg]

ドイツの広告代理店・Scholz & Friends Hamburgがデジタル・クリエイターをリクルーティングするために仕掛けたセルフプロモーション。

同社は、宅配レストランの「Croque Master」の協力を得て、4週間にわたり大手の競合広告代理店で働く従業員に対して『トマトソースでQRコードが描かれたピザ』を宅配しました。
[※厳密には、プロモーション期間中に他社広告代理店の従業員が「Croque Master」に宅配注文すると、注文した商品と一緒に追加で『QRコードピザ』を届けました。]

このQRコードピザは実際に携帯電話で読み込めるようになっており、ユーザーがアクセスすると「Scholz & Friends Hamburgのデジタル・クリエイター採用ページ」に遷移するように設定されていました。

この試みの結果、数多くの採用に関する問い合わせがあり、優秀なデジタルクリエイターを数人獲得できたそうです。

“デジタル×アナログ”な採用活動。
こんなピザがいきなり送られてきたらビックリするでしょうが、確かにどんな会社が送りつけてきたのか気になる人が多そうですね。

2.JWT、優秀なコピーライターを“ライバル他社から引き抜く”クリエイティブな採用活動


[国名:ポーランド/企業名:JWT]

大手広告代理店・JWTがポーランドのワルシャワ支部で仕掛けた驚きの採用活動。
ゴールは有能なコピーライターをライバル他社から引き抜くことです。

同社はポーランドの最大手マーケティング雑誌に広告業界に関連するクロスワードパズルを掲載。それをワルシャワ中の優秀なコピーライター200人に、クロスワードパズルを解いてもらうように依頼上を添えて配布しました。

郵送でこちらの雑誌を受け取ったコピーライターが、実際にクロスワードを解いてみると、QRコードが出現し携帯で読み取ることができます。

読み取ってみると、「おめでとう!JWTワルシャワよりあなたを採用面接の場に招待します!」のメッセージとともに、JWTワルシャワ支部のクリエイティブディレクターの電話番号を表示しました。

この試みの結果、優秀なコピーライターを他社から引き抜くことに成功したそうです。

3.大手広告代理店Ogilvyが仕掛けた“Pirate Recruitment”


[国名:ベルギー/企業名:Ogilivy]

大手広告代理店・Ogilvyのベルギー・ブリュッセル支社が手掛けたユニークな採用活動。
今回のリクルーティングでは、“若い才能豊かなWebデザイナー”を採用することが狙いです。

現在ベルギーにおいてWebデザインの業界で活躍していくためには、非常に高価な「デザイン用アプリケーション(ソフトウェア一式)」を入手して使いこなす必要があるそうですが、多くの若手デザイナーはそれらアプリケーションを購入できるほどのお金がなく、違法と知りながらも海賊版のソフトウェアをネットでダウンロードしているという現状があるそうです。

同社は今回、こういった点に着目してリクルーティング施策を企画。

海賊版ソフトウェアの共有サイトにて、“Webデザイナーには必要不可欠で正規で購入したら非常に高額なソフトウェア”の『偽物』(見た目だけでは判断できないもの)をアップロードします。

そしてこのファイルを何も知らないWebデザイナーがダウンロードすると、ソフトウェアを入手できる代わりに、「Ogilvyで才能豊かなWebデザイナーの募集を行っていること、Ogilvyに入社すれば好きなだけ必要なアプリケーションを提供すること」が書かれたWebデザイナーの募集要項があらわれるという企画です。

海賊版の違法ダウンロードを水際で阻止し、ユニークな形で募集告知を行うというアプローチ。
この発想のぶっ飛び方、面白過ぎですね。

4.競合他社をなぎ倒す“最強”のプログラマー求む!!中東広告代理店がRPGで採用活動


[国名:イスラエル/企業名:SAATCHI & SAATCHI ISRAEL]

大手広告代理店・SAATCHI & SAATCHIのイスラエル支部が手掛けたがユニークな採用活動。

優秀なプログラマーの採用にあたって、人気オンライン・ロールプレイングゲーム「ディアブロ3」のゲーム内で、候補者とあいまみえ面接するという企画。その名も『Hell Of A Job』。

この「ディアブロ3」というゲームについて簡単に触れておくと、2012年5月の発売初日わずか24時間で350万本、初週では630万本ものセールスを記録し、PCゲームのローンチタイトルとしては歴代最高記録を塗り替えたモンスターゲームです。

具体的な採用活動は、同社CEO Yossi Lubaton氏自らが「ディアブロ3」内のキャラクター、バーバリアン(Lv.60)で参戦し、7月中の毎週水曜日午後8時に候補者を迎え撃ちます。

候補者たちは、1人30分という制限時間の中でLubaton氏が操るバーバリアンと戦い、まずはゲームのスキルを示し、それと同時に採用に関するLubaton氏からの質問に答えていくという流れ。
[※氏をゲーム内で簡単に見つけられるように検索用IDも特設サイトで紹介されています]

“オンラインゲーム内での対戦(面接)“の結果、優秀なプログラマーを複数名オフィスに招待して実世界で面接を行い、最終的に1名を採用するという計画。同時にゲーム内の伝説のアイテム『warmonger sword』と大量の金貨を授与するそうです。

『ディアブロ3で数々の敵をバッタバッタと倒していくように、“競合企業を情け容赦なくクリエイティブな企画を武器に圧倒できる”、そんなプログラマーを採用したい』という主旨だそうです。

「ゲームの腕」と「プログラマーの資質」との因果関係がどの程度なのか定かではありませんが、上手にPRにも繋がっていてとてもユニークです。
話題作りと同時にクリエイティブな人材を採用しようとする意図がヒシヒシと伝わってくる取組です。

5.マッキャンエリクソンによるストックフォトサイトを舞台にした“待ち伏せ”採用活動


[国名:イスラエル/企業名:McCann Erickson]

大手広告代理店・McCann Ericksonのイスラエル支部が実施したユニークな採用活動。
リクルーティングの狙いは、他社で活躍している優秀で経験豊富なアートディレクターを採用することです。

同社は、はじめにアートディレクターがよく接触するメディアの一つである、ストックフォト(写真素材販売)サイトでよく検索されるキーワード、例えば「Running」や「Computer」、「Businessman」などに関連した写真画像をオリジナルで作成します。

そして、それら画像をイスラエルの大手ストックフォトサイトにて、“各カテゴリの5ページ目”にそれぞれアップします[広告掲載という位置づけのようです]。

この際、最もよく閲覧される各カテゴリの1ページ目ではなく、あえて“5ページ目”に掲載したのは、適切な画像をストックフォトサイトで探しているアートディレクターの中で、1ページ目や2ページ目に表示される結果だけで安易に満足せず、より相応しい画像を探すような仕事熱心で“妥協しないアートディレクターだけにリーチさせるため”です。

5ページ目にアップしたそれぞれの画像には、以下のメッセージと応募用のメールアドレスが記載されていました。

“Still Looking for Businessman? We’re looking for you! McCann Digital are looking for an art director who doesn’t compromise.”
(まだ‘ビジネスマン’の画像を探していますか?我々はまさにあなたのような人を探しています。マッキャンデジタルは安易に妥協しないアートディレクターを求めています。)

「ビジネスマン」だけでなく、他の人気検索ワードの画像にも同様のメッセージを記して5ページ目にアップしました。

この特殊な画像広告は、数百人のアートディレクターに閲覧され、その中から見事1名の採用に成功したそうです。

アートディレクターがよく利用するストックフォトサイトまで、彼らを『ストーキングして待ち伏せている』感じですね。

ターゲット(アートディレクター)のインサイトを的確にとらえ、リーチを犠牲にしてでも彼らが思いもよらない場所(ストックフォトサイトの5ページ目)でリクルーティング活動を行ってしまうという発想と実行力が素晴らしいです。